ChatGPTを使って社内ヘルプデスクをつくる話。
今回は第二回目。
全体は規則のファイルをアップロードする方法だったけど、
今回はもう一つの方法、RAG構築するほうについて
****(ここから。太字は質問)****
RAG形式について、どのようなものを構築すればよいのかよくわかりません。とくにベクトルDBがよくわからないので、教えてください
わかりました。
では、まず **RAG** が何なのか、そして**ベクトルDB**がどう関わるのかを、なるべく具体的に説明します。
社内規則ヘルプデスクの構築例に沿って話します。
---
## 1. RAGとは
RAG(**Retrieval-Augmented Generation**)は、
* **検索(Retrieval)**
* **生成(Generation)**
を組み合わせたAI回答方式です。
簡単に言うと、
> 「まずデータベースから関連情報を探して、それを元にChatGPTが文章を作る」
という二段構えの仕組みです。
これにより、大量の社内規則やマニュアルからでも、必要な部分だけを参照して正確に答えられます。
---
## 2. ベクトルDBの役割
普通のデータベースは「キーワード検索」しかできませんが、
**ベクトルDB**は「意味で検索」できます。
### 例
* キーワード検索(従来型DB)
「有給」→「有給」という単語が含まれる行だけヒット
* ベクトル検索(ベクトルDB)
「休暇の申請期限」→ 「有給休暇の取得申請」など、似た意味の文章もヒット
---
## 3. ベクトルって何?
AIが文章を「数百〜数千次元の数値列」に変換したものです。
これを「埋め込み(embedding)」と呼びます。
例(超簡略化):
```
「有給休暇の申請期限」 → [0.12, -0.83, 0.45, ...]
「休暇を取るための申請期限」 → [0.11, -0.82, 0.44, ...]
```
→ 数値が近いので、意味が似ていると判断。
---
## 4. RAGの流れ(社内規則ヘルプデスク版)
```
社員の質問
↓
(1) 質問をベクトル化(embedding)
↓
(2) ベクトルDBから近い文書を検索
↓
(3) 該当する規則文をChatGPTに渡す
↓
(4) ChatGPTが回答を生成(根拠付き)
```
---
## 5. 構築に必要なもの
### 必須
* **ベクトルDB**
* 例:Pinecone, Weaviate, Milvus, FAISS(オープンソース)など
* 小規模ならFAISSをPCや社内サーバに置けます
* **埋め込みモデル(embedding model)**
* 例:OpenAI `text-embedding-3-large`
* **生成モデル(ChatGPT本体)**
* 例:OpenAI GPT-4, Azure OpenAI GPT-4
---
## 6. 社内規則ヘルプデスク構築イメージ
```
[Word/PDF社内規則] → [テキスト化] → [段落ごとに分割]
↓
[embeddingモデルでベクトル化]
↓
[ベクトルDBに保存]
↓
(運用時)
質問 → ベクトル化 → 類似規則を検索 → ChatGPTに渡す → 回答
```
---
## 7. ベクトルDB導入のメリット
* 数十ページ〜数千ページでも高速検索
* 言葉が違っても意味で検索できる
* 回答の根拠を確実に規則に基づかせられる
* 更新や改訂にも対応しやすい
---
もし望むなら、この「社内規則RAGシステム」を
* **FAISS(無料)でローカル構築する手順**
* **Pinecone(クラウド)でスケール対応する手順**
の両方を、図解つきで作れます。
これを作れば、「RAGの仕組みと実装」が完全にイメージできますが、
FAISSとPinecone、どちらの構築例から説明しましょうか?
わかりました。
では、まず **RAG** が何なのか、そして**ベクトルDB**がどう関わるのかを、なるべく具体的に説明します。
社内規則ヘルプデスクの構築例に沿って話します。
---
## 1. RAGとは
RAG(**Retrieval-Augmented Generation**)は、
* **検索(Retrieval)**
* **生成(Generation)**
を組み合わせたAI回答方式です。
簡単に言うと、
> 「まずデータベースから関連情報を探して、それを元にChatGPTが文章を作る」
という二段構えの仕組みです。
これにより、大量の社内規則やマニュアルからでも、必要な部分だけを参照して正確に答えられます。
---
## 2. ベクトルDBの役割
普通のデータベースは「キーワード検索」しかできませんが、
**ベクトルDB**は「意味で検索」できます。
### 例
* キーワード検索(従来型DB)
「有給」→「有給」という単語が含まれる行だけヒット
* ベクトル検索(ベクトルDB)
「休暇の申請期限」→ 「有給休暇の取得申請」など、似た意味の文章もヒット
---
## 3. ベクトルって何?
AIが文章を「数百〜数千次元の数値列」に変換したものです。
これを「埋め込み(embedding)」と呼びます。
例(超簡略化):
```
「有給休暇の申請期限」 → [0.12, -0.83, 0.45, ...]
「休暇を取るための申請期限」 → [0.11, -0.82, 0.44, ...]
```
→ 数値が近いので、意味が似ていると判断。
---
## 4. RAGの流れ(社内規則ヘルプデスク版)
```
社員の質問
↓
(1) 質問をベクトル化(embedding)
↓
(2) ベクトルDBから近い文書を検索
↓
(3) 該当する規則文をChatGPTに渡す
↓
(4) ChatGPTが回答を生成(根拠付き)
```
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## 5. 構築に必要なもの
### 必須
* **ベクトルDB**
* 例:Pinecone, Weaviate, Milvus, FAISS(オープンソース)など
* 小規模ならFAISSをPCや社内サーバに置けます
* **埋め込みモデル(embedding model)**
* 例:OpenAI `text-embedding-3-large`
* **生成モデル(ChatGPT本体)**
* 例:OpenAI GPT-4, Azure OpenAI GPT-4
---
## 6. 社内規則ヘルプデスク構築イメージ
```
[Word/PDF社内規則] → [テキスト化] → [段落ごとに分割]
↓
[embeddingモデルでベクトル化]
↓
[ベクトルDBに保存]
↓
(運用時)
質問 → ベクトル化 → 類似規則を検索 → ChatGPTに渡す → 回答
```
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## 7. ベクトルDB導入のメリット
* 数十ページ〜数千ページでも高速検索
* 言葉が違っても意味で検索できる
* 回答の根拠を確実に規則に基づかせられる
* 更新や改訂にも対応しやすい
---
もし望むなら、この「社内規則RAGシステム」を
* **FAISS(無料)でローカル構築する手順**
* **Pinecone(クラウド)でスケール対応する手順**
の両方を、図解つきで作れます。
これを作れば、「RAGの仕組みと実装」が完全にイメージできますが、
FAISSとPinecone、どちらの構築例から説明しましょうか?
FAISSでベクトルDBをどう構築し、質問するときはどうすればよいのか教えてください
わかりました。
では、**FAISS を使ったベクトルDB構築と質問処理の流れ**を、社内規則ヘルプデスクの例で解説します。
Pythonコード例も交えて説明するので、そのまま試せるレベルにします。
---
## 1. FAISSとは
* Facebook(Meta)が開発した**高速ベクトル検索ライブラリ**
* 無料で使えるオープンソース
* 社内PCやサーバに置けるので、**社外にデータを出さずにRAGができる**
---
## 2. 全体フロー
### 構築フェーズ(初回のみ)
1. 社内規則(Word/PDF)をテキスト化
2. 段落単位に分割
3. 各段落を**ベクトル化(embedding)**
4. FAISSに保存(ベクトルDB作成)
### 質問フェーズ(運用時)
1. 質問をベクトル化
2. FAISSで類似文書を検索
3. 検索結果をChatGPTに渡す
4. ChatGPTが回答生成(根拠付き)
---
## 3. 必要なライブラリ
```bash
pip install faiss-cpu openai tiktoken python-docx
```
* `faiss-cpu`:ベクトルDB
* `openai`:埋め込みと生成モデル
* `tiktoken`:トークン数カウント(分割のため)
* `python-docx`:Word読み込み用
---
## 4. 構築フェーズ(例:社内規則をベクトルDB化)
```python
import faiss
import openai
from docx import Document
openai.api_key = "YOUR_OPENAI_API_KEY"
# 1. Wordファイルを読み込み
doc = Document("社内規則.docx")
text = "\n".join([p.text for p in doc.paragraphs if p.text.strip()])
# 2. 段落ごとに分割
paragraphs = [p.strip() for p in text.split("\n") if p.strip()]
# 3. ベクトル化(embedding)
def get_embedding(text):
return openai.Embedding.create(
input=text,
model="text-embedding-3-small"
)["data"][0]["embedding"]
embeddings = [get_embedding(p) for p in paragraphs]
# 4. FAISSに保存
dimension = len(embeddings[0]) # ベクトル次元数
index = faiss.IndexFlatL2(dimension)
index.add(np.array(embeddings, dtype="float32"))
# 保存
faiss.write_index(index, "rules.index")
# 段落データも保存
import pickle
with open("paragraphs.pkl", "wb") as f:
pickle.dump(paragraphs, f)
```
---
## 5. 質問フェーズ(検索+ChatGPT回答)
```python
import pickle
import numpy as np
# FAISSと段落データを読み込み
index = faiss.read_index("rules.index")
with open("paragraphs.pkl", "rb") as f:
paragraphs = pickle.load(f)
def search_similar(query, top_k=3):
q_emb = get_embedding(query)
D, I = index.search(np.array([q_emb], dtype="float32"), top_k)
return [paragraphs[i] for i in I[0]]
# 質問例
query = "年次有給休暇の申請期限はいつまでか?"
results = search_similar(query)
# ChatGPTに渡して回答生成
context = "\n\n".join(results)
prompt = f"""
あなたは社内規則ヘルプデスクです。
以下の規則のみを根拠に、質問に答えてください。
質問: {query}
規則:
{context}
回答は、根拠の引用と該当位置を必ず示してください。
"""
response = openai.ChatCompletion.create(
model="gpt-4o",
messages=[{"role": "user", "content": prompt}]
)
print(response.choices[0].message["content"])
```
---
## 6. ポイント
* **段落ごとにベクトル化** → 検索の精度UP
* **FAISSはローカル保存可能** → 社外送信しない安全運用可
* **top\_kを調整** → 関連する複数段落を一度に渡せる
* OpenAI APIキーは社外送信を伴うため、\*\*オンプレミスembeddingモデル(例:InstructorXL)\*\*に置き換えれば完全社内運用も可能
---
## 7. 次のステップ
この構成に、
* 検索結果の**根拠+出典自動抽出**
* **ExcelやTeams連動**
* **規則改訂時の自動再ベクトル化**
を追加すると、ほぼ「完全社内FAQシステム」になります。
---
もし望むなら、
このFAISSベースのコードを**社内規則更新にも対応する完全版スクリプト**にしてお渡しできます。
それなら、規則ファイルを差し替えるだけで常に最新ヘルプデスクになりますが、そこまで作りますか?
InstructorXLはどんなものですか?上のプログラムのOpenAIをそれに置き換えればよいのですか?
InstructorXL について整理しますね。
結論から言うと、**はい、上のプログラムの「OpenAIでembeddingしている部分」をInstructorXLに置き換えれば、社内完結のベクトル化が可能**になります。
---
## 1. InstructorXLとは
* **Hugging Face** で公開されている埋め込みモデルの一種
* 「意味検索」や「RAG用途」に特化
* **オープンソース & 無料**
* ローカルPCやオンプレサーバで動かせるので、**社外にデータを送らずembeddingできる**
---
## 2. 特徴
* **大規模Transformerモデル**(BERT/DeBERTa系)
* 最大トークン長:\~512〜1024トークン程度(段落ごとのembeddingに最適)
* 入力時に「命令(instruction)」を加えて意味を明確化できる
例:「Represent the following text for retrieval: ...」
* 実務用途でOpenAIの `text-embedding-3-large` に近い精度を出せる
---
## 3. 導入例(ローカル実行)
まずインストール:
```bash
pip install InstructorEmbedding sentence-transformers
```
---
## 4. 上のプログラムをInstructorXLに置き換える方法
### Embedding部分の変更
```python
from InstructorEmbedding import INSTRUCTOR
import numpy as np
# モデル読み込み(初回はダウンロード)
model = INSTRUCTOR('hkunlp/instructor-xl')
def get_embedding(text):
# instruction(検索用途を指定)
instruction = "Represent the following text for retrieval"
emb = model.encode(instruction, text)
return emb[0] # numpy配列で返る
```
これで、OpenAI APIを使わずにベクトル化できます。
あとの **FAISS保存・検索部分は全く同じ** でOKです。
---
## 5. 導入メリット
* **機密保持**:規則文書を外部APIに送らない
* **コストゼロ**:API料金不要
* **オフライン運用可能**:ネット接続なしでも動作
---
## 6. 注意点
* モデルサイズが大きく、**メモリ消費大(約6GB〜8GB)**
* 初回ダウンロードに時間がかかる
* GPUがあると高速だが、CPUでも動く(ただしembedding速度は遅め)
* 最新の商用モデル(OpenAI等)と比べると精度がわずかに劣る場合あり
---
もしこの置き換えをやれば、**社内規則を完全オフラインでRAG検索**できるようになります。
さらに質問応答部分もOpenAIではなく、ローカルの大規模言語モデル(LLaMA 2, Mistral など)に置き換えれば、**完全閉域AIヘルプデスク**が完成します。
---
このあと、InstructorXL + FAISS の **完全社内運用型RAGヘルプデスク構築図** を作れますが、
やりますか?
それを見れば構築工程が一目で理解できます。
InstructorXL + FAISS の 完全社内運用型RAGヘルプデスク構築図 をお願いします!
作成しました!🛠️
左のキャンバスに「**InstructorXL-FAISS\_RAG\_Helpdesk\_Architecture**」という文書を用意しました(設計図、実装スニペット、運用・セキュリティ注意点などをまとめています)。
確認してほしい点や、図のPNG化・実働サンプルリポジトリ化など希望があれば教えてください。
# InstructorXL + FAISS — 完全社内運用型 RAG ヘルプデスク 構築図
この文書は、**InstructorXL(ローカル埋め込み)と FAISS(ローカルベクトルDB)を用いた、オンプレ/社内クラウド完結のRAG型ヘルプデスク**の構築図と実装手順の要点をまとめたものです。
---
## 高レベル構成図(ASCII)
```
+----------------------+ +----------------------+ +----------------------+
| 社員(問い合わせ) | ---> | フロントエンド / API | ---> | RAG サービス |
| (Teams / Web UI) | | (FastAPI / Flask) | | |
+----------------------+ +----------------------+ +----------------------+
| /
| / (1) 質問を受け取る
v /
+---------------------------+
| Embedding サービス |
| - InstructorXL(local) |
| - テキスト前処理 |
+---------------------------+
|
(2) ベクトル化(埋め込み) |
v
+---------------------------+
| FAISS インデックス |
| - 類似検索(knn) |
| - 永続化(indexファイル) |
+---------------------------+
|
(3) 類似段落を取得 |
v
+---------------------------+
| レトリーバル合成 (Rerank) |
| (ローカル or 軽量モデル) |
+---------------------------+
|
(4) 上位N件をコンテキストとして渡す |
v
+---------------------------+
| 生成モデル(回答生成) |
| - オプションA: 社内LLM |
| - オプションB: API経由GPT |
+---------------------------+
|
(5) 根拠付き回答を返す |
v
+---------------------------+
| フロントエンド / UI |
+---------------------------+
```
---
## 各コンポーネントの役割と推奨技術
* **フロントエンド / API**
* 役割:問い合わせ受付、認証、ログ記録、UI表示。
* 推奨:FastAPI(Python)+OAuth/SSO連携(AzureAD、Okta等)
* **Embedding サービス(InstructorXL)**
* 役割:問い合わせ文・文書段落を埋め込みベクトルに変換。
* 実装:`InstructorEmbedding` ライブラリで `hkunlp/instructor-xl` を利用。
* 備考:ローカル実行で機密保持。GPUあると高速。
* **FAISS(ベクトルDB)**
* 役割:埋め込みベクトルの保存と高速類似検索。
* 実装:`faiss-cpu` または GPU版 `faiss-gpu`。
* 永続化:`faiss.write_index` / `faiss.read_index` でファイル保存。
* **レトリーバル合成 / Reranking**
* 役割:FAISSで取得した候補段落を再スコアリングして精度向上。
* 実装案:軽量の双方向モデルやBM25スコアの組合せ、あるいは埋め込みコサインでソート。
* **生成モデル(回答生成)**
* 役割:取得した根拠をもとに、根拠明示で回答を生成。
* 選択肢:
* 社内LLM(Llama 2 / Mistral / local LLM)で完全閉域運用
* APIベースのGPT(精度高、柔軟だが外部送信を伴う)
---
## 実装の主要ステップ(端的)
1. **文書準備**:Word/PDF → テキスト抽出 → 段落分割(適切な長さに分割)
2. **埋め込み生成**:InstructorXLで各段落をベクトル化(numpy配列)
3. **FAISSインデックス作成**:IndexFlatIP / IndexHNSWFlat などを選択して登録
4. **永続化**:indexファイルと段落メタ(出典位置)を保存
5. **検索API**:問い合わせを埋め込み→FAISS検索→上位N件取得
6. **(任意)再スコアリング**:精度改善のためにrerank
7. **回答生成**:取得コンテキストをプロンプトに入れてLLMに投げる(根拠引用必須の指示)
8. **ログ/監査**:質問、返答、参照元を保存(後でQA改善や監査に利用)
---
## 具体コード(抜粋:埋め込み→FAISS登録)
-----------------------------------------------------------
# 必要パッケージ: InstructorEmbedding, faiss-cpu, python-docx, pickle, numpy
from InstructorEmbedding import INSTRUCTOR
import faiss
import numpy as np
from docx import Document
import pickle
# 1. テキスト抽出(例)
doc = Document('rules.docx')
paras = [p.text.strip() for p in doc.paragraphs if p.text.strip()]
# 2. モデル初期化
model = INSTRUCTOR('hkunlp/instructor-xl')
def embed(text):
instr = "Represent the following text for retrieval"
emb = model.encode(instr, text) # shape: (1, dim)
return emb[0].astype('float32')
# 3. 全段落埋め込み
embs = np.vstack([embed(p) for p in paras])
# 4. FAISSインデックス作成
d = embs.shape[1]
index = faiss.IndexFlatIP(d) # 内積で類似度(事前に正規化する方法もあり)
faiss.normalize_L2(embs)
index.add(embs)
# 5. 永続化
faiss.write_index(index, 'rules.index')
with open('paras.pkl','wb') as f:
pickle.dump(paras, f)
# 必要パッケージ: InstructorEmbedding, faiss-cpu, python-docx, pickle, numpy
from InstructorEmbedding import INSTRUCTOR
import faiss
import numpy as np
from docx import Document
import pickle
# 1. テキスト抽出(例)
doc = Document('rules.docx')
paras = [p.text.strip() for p in doc.paragraphs if p.text.strip()]
# 2. モデル初期化
model = INSTRUCTOR('hkunlp/instructor-xl')
def embed(text):
instr = "Represent the following text for retrieval"
emb = model.encode(instr, text) # shape: (1, dim)
return emb[0].astype('float32')
# 3. 全段落埋め込み
embs = np.vstack([embed(p) for p in paras])
# 4. FAISSインデックス作成
d = embs.shape[1]
index = faiss.IndexFlatIP(d) # 内積で類似度(事前に正規化する方法もあり)
faiss.normalize_L2(embs)
index.add(embs)
# 5. 永続化
faiss.write_index(index, 'rules.index')
with open('paras.pkl','wb') as f:
pickle.dump(paras, f)
```
-----------------------------------------------------------
---
## 検索→応答の例(抜粋)
1. ユーザー質問を受ける
2. `embed(question)` でベクトル化 → FAISSに `index.search()` を実行
3. 上位K件(例: k=5)を取得し、該当の段落テキストと出典情報を結合
4. プロンプト例(LLMへ渡す):
```
あなたは社内規則ヘルプデスクです。以下の【規則抜粋】のみを根拠として、質問に答えてください。
質問: {ユーザーの質問}
規則抜粋:
1. {候補1}
2. {候補2}
...
【指示】
- 回答には必ず根拠となる規則の原文を引用し、出典(章・条・ページ)を明示してください。
- 規則に記載がない場合は「規則に記載がありません」と答えてください。
```
---
## 運用・性能・ハード要件
* **小規模(数百〜数千段落)**:CPUのみ + faiss-cpu 可、InstructorXLはCPUでも可だが遅い
* **推奨(本番)**:GPU(8〜16GB VRAM 以上)での埋め込みが快適
* **ストレージ**:FAISS indexと段落メタで数百MB〜数GB
* **スケール**:データ量増加時は HNSW や IVF を検討
---
## セキュリティ設計(必須)
* **データ閉域**:埋め込みと検索は完全に社内で実行
* **生成モデル選択**:生成も社内LLMにすれば外部送信はゼロ
* **アクセス制御**:APIに認証(SSO)・権限管理を導入
* **監査ログ**:誰がいつ何を聞いたか、回答は何を参照したかを記録
---
## 維持管理:更新フロー
* 規則が更新されたら:
1. 新版のテキスト抽出 → 差分で再ベクトル化
2. 変更部分のみ index を更新(または再構築)
3. テストクエリで回答の整合性を確認
---
## 改良案・オプション
* **検索精度向上**:BM25とベクトル検索を合成(ハイブリッド検索)
* **自動要約**:取得した段落の自動要約を付与してUI表示を短くする
* **フィードバックループ**:社員からの「正しくない」報告を回収して再学習/ルール調整
---
## 参考コマンド / 管理スニペット
* FAISS index 保存/読み込み: `faiss.write_index`, `faiss.read_index`
* 埋め込みモデル: `INSTRUCTOR('hkunlp/instructor-xl')`
* 永続化メタ:pickle / sqlite(段落→(章,条,頁)を保存)
****(ここまで)*****