ブルーレイディスクに力を入れないと、PS3だけじゃなく、ソニー自体も問題だよね!
で、さっきのPS3の話。
前のブログで、「ソニーの「PLAYSTATION 3」、1台売れるごとに数百ドルの赤字?」というYAHOOニュースに対して、PS3即完売も、なぜ損してまで売るの?というAll Aboutでは、ソフトが売れるから、その利益で補完するという話を書いていたけど、それってどーなの?っていう話を書いた。
むしろ、マーケティングのほうでは、違う戦略で、原価われ商品というのを出すことがある。今回はその話と、その場合の、ソニーの考えられる戦略と問題点をウィリアムのいたずら様が書いてみたいと思う。
■大量生産を続けると、安くなる
上記のYAHOOニュースに以下のように書いてある。
(以下斜体はYAHOOニュースより引用)
Merrill Lynchは、3年以内にPS3の製造および材料コストは320ドルにまで落ちると予想している。
とすれば、今の値段、499ドルでも、今は確かに赤字かもしれないけど、将来的には、儲かるということになる。
つまり、大量生産の場合、価格は落ちてくる。
なので、はじめから利益を狙って、価格を高く設定すると、むしろ、売れなくなって、大量生産が出来ない。したがって、はじめの値段は安く売って、市場に浸透しやすい(=いっぱい売れやすい)値段にする。
そして、いっぱい売れて大量生産になれば、コスト安となり、はじめ、損失を出して売っていても、あとで回収できる。
これを、ペネトレイティングプライスといいます。
この戦略は、はじめ赤字なので、財務的に余裕のある企業しか出来ませんが、成功すれば、カネのなる木を手に入れられます(=ここでいってるのは、問題児、花形、負け犬の金のなる木でもあり、文字通り、カネのなる木の意味でも言っている)
■なんだけど、はじめから高く売る戦略もアリ。
しかし、はじめっから利益を乗っけてしまい、開発費を早期回収する場合もあります。
スキミングプライス戦略といいます。
財務体質的に、お金はいってこないと持たない場合に使います。
これは、趣味人や金持ちしか、はじめ買いませんので、すぐに大量生産には、打って出られません。
で、ある程度売れたら、(ここから先は学校では習わないけど)廉価版をぶつけるという方法があります。もちろん、そーするとはじめに買った人は、文句が出てしまう。。。
と思うかもしれませんが、その高級品(もともとスキミングライスで売っているもの)も売る続けることで回避できます。
そうすると、はじめ買った人たちや、高級品を買う人たちは、「おれは、おまえら廉価版を買うビンボー人とはちがうんだよ、へーん!!だあ」と、妙なプライドをくすぐることが出来、また、一般ピープルは、「廉価版で十分っす!」っていうことで楽しめます。
そして、大量生産ができます。
この戦略の変形がゲーム等における「限定BOX」って言うやつです。いろんなものをくっつけて、「ありえネーよ!おまえ!!」っていう値段で売りますが、あれで、投資を回収し、あとは、安いソフトで売っていきます(実は、ソフトって、安いものなので、あれで開発費を回収するのは、たいへんなのです)
■しかし、ゲーム機は、スキミングプライスをやりにくい
ということで、スキミングプライス戦略と、ペネトレイティングプライスは、マーケティングで結構基本的に教わる話なんだけど、問題は、この2つのどちらをとるかという判断。
で、ゲーム機の場合、ここで、ソフトがかかわってくる。
ソフト開発会社は、自分の会社をつぶしてまで開発はしてくれない。
そこで、開発したときに、元手が回収できるくらいの販売量にならないといけない。
この販売量が、尋常な数字ではないのだ。。
1本5000円のソフトだとすると、3000円くらい(6がけ)が、開発会社にはいる。。かなあ?まあ、はいったとしよう。
材料費など直接原価(1本に付きいくらとかかるお金)が、500円くらいとすると、
結局、1本2500円。
一方開発費が、1年で10人、で、120人月、1人月単価100万とすると、1億2000万。宣伝広告費など、その他雑費が8000万として。。2億。1本あたり2500円で、この2億を回収すると、8万本、つまり、今回PS3の初回ロットは、8万機だったそうなので、皆買ってくれないと、原価すら回収できない計算なのだ(>_<!)
でも、10人で1年って言ったら、そんなに大作は作れないぞ!
だから、もっともっともーっと大量に売れないといけない。
そう、WIIの初回は40万機って言われてるみたいだけど、そのぐらいどどーん!!
と出していただかないと困るのだ。
なので、スキミングプライスのような、趣味人だけ買うという戦略は取れないし、さらに、ペネトレイティングプライスにするにしても、相当な勢いで買ってくれないと、開発会社が困るのだ。。。そーすると、ゲームが出てこないのだ(>_<!)
■PS3の場合には、ブルーレイの部分を考慮する必要がある。
で、PS3の場合、ペネトレイティングプライス戦略をとり、はじめは損しても大量に作り、採算点に載せるという戦略をとる場合、考慮しなくちゃいけない考えがある。
それは、PS3にブルーレイディスク装置を載せることにより、ブルーレイディスク装置を他の機械でも使って共通化すれば、その部分の大量生産によるコストダウンもはかれるし、さらにブルーレイディスク市場が広がるメリットもあると考えられることだ。
ペネトレイティングプライス戦略をとるにしても、805.85ドルのものが、499ドルっていうのは、安すぎるので、ソニーはブルーレイ再生機という側面を多く見ているのかもしれない。
■ブルーレイディスクに力を入れないと、PS3だけじゃなく、ソニー自体も問題だよね!
しかし、問題は、そのブルーレイだ。
今回、出荷本数がこんなに少ないのも、ブルーレイディスクドライブの基幹部品の生産の遅れだそうだし、そもそも、ブルーレイディスクが再生できるといっても、ブルーレイディスクのコンテンツが無ければ。。。いみねーとなってしまう。
いくらPS3で、大量生産して、コスト安になっても、ブルーレイディスクのコンテンツが無ければ、意味が無いし、売れるとは思えない。
ってことで、これは、ソニーの会社全体で、ブルーレイディスクを(コンテンツ戦略を含めて)どーするかをかんがえないといかんはずなのだ。
そーしないと、PS3はもとより、ブルーレイディスクが、ビデオのベータと同じような運命をたどってしまう。
そっちのほうが、PS3、1商品が売れるかどうかより、大きな問題だと思うのだが。。